じりじりと灰音にせまるエレジー。


「ハグ一回で勘弁してあげるわぁ。」


「ちょっと待った!店に帰るだけなら握手とかで十分だろ?」


「やーよ!そんなのすぐエネルギー切れになるんだから!」


「お前は一生エネルギー切れしてろ!」


「ひどい!」


なんか始まっちゃったけど…


私たちは一体どうしたらいいの…




数分後、どうやら灰音が妥協したみたいだ。


「…ほら、手。」


灰音は黙ってエレジーに手を伸ばした。


「仕方がないわね。」


エレジーが灰音の手を握る。


するとエレジーの体が光り出した。


「すごい…今エネルギー充電してるの?」


「そうよぅ。……これだけあれば十分かしら?」


エレジーはパッと手を放した。


エネルギーをあげたからだろうか、灰音はへなへなになっていた。


「洋子ー?鍵かしてくれるぅ?」


エレジーはさっきより格段に顔色が良くなっていた。


「はい。」


エレジーの手に鍵を置く。


「ありがと。…ここじゃまずいわね、移動しましょう。」