怖い…でもおばあちゃんを守らなきゃ。
「それは……よくないことだと思います。」
「…まぁいいことではないだろうな。」
そう言うとまた女の人は玄関に向かって行ってしまう。
「あ、ダメ…」
「さっきから何なんだお前は。消えたいのか?」
黒い瞳が私の目を捕らえる。
「お前…よく見ると房枝に似てないか?」
「えっ?」
「また……また私の邪魔をするつもりか?!」
女の人の手が私の首に伸びる。
「痛っ!」
「お前から閉じ込めてやる。」
女の人は静かに言い放つと箱を私の目の高さまで持ち上げた。
真っ黒な箱には花の模様がびっしり刻まれていた。
箱はカタカタと音を立て、ふたが開き、宙に浮いた。
その瞬間−
箱から白い光が射す。
目の前が真っ暗になっていく。
もうダメだ…


