2.小さな侵入者






今日は暑い日だ。


先週までは暖かく過ごしやすい天気だったのに。


私の額に汗が伝う。




「灰音、まだ?」


「…もうちょっと。」




子供たちを見送った私たちは灰音の店で待機することになった。


ただ灰音の店はここから少し距離があるらしい。


「灰音の店、異空間にあるんじゃないの?」


「異空間に店が繋がってるってだけで店自体はこの世界にあるんだよ。」


「これは?この鍵で行けばいいんじゃ…」


私はこの前もらった鍵を出した。


「行きは俺もこの近くの人気ないとこに飛んできたんだけど…」


「じゃあ帰りも出来るじゃん!」


「無理。…その鍵、エレジーの能力が媒体なんだよ、エレジーが子供たちに能力使用中だから、さらに能力使わせることは出来ない。」


「そうなんだ。」


それなら仕方がないか。




30分後…


「灰音ー?あとどのくらい?」


「もう少しだって。」


ここでエレジーがピタリと足を止めた。


「どうした?エレジー。」