「なに…?それ…」
やっと声が出た。
「バケバコだ。この中に入れた人間は年をとらん。死ぬことなく永遠にバケバコに閉じ込められる。」
なにがどうなってるのかわからない。
この人は誰?
おじいちゃんとどういう関係なの?
どうして何もないところから箱が出てくるの?
この人は何者なの?
ただ一つわかること。
おばあちゃんが危ない!
「さて、行くか。」
女の人が私の横を通り過ぎる。
「待って!」
とっさに黒い服の裾を掴んだ。
「ん?」
女の人は怪訝そうな顔で私を見た。
「なんだ。」
「おばあちゃんに何するつもり?」
「さっきも言っただろう。この箱に閉じ込めるのだ。」
女の人が私の手を払った。
「わかったなら邪魔するな。お前は昭仁の孫だから見逃してやる。本来ならとうの昔にお前は消えていた。」


