ニセモノの指先が私の体に触れた。



世界がすごくゆっくりに感じる。




だいじょうぶ。


怖くない。




私は広げた両手をニセモノの背中に回した。



ニセモノの…


…違う。
この子は正真正銘の私。




私はワタシを抱き締めた。



ワタシの動きが止まる。



ワタシは泣いていた。




涙を流しながら私を見るワタシは笑顔だった。




「……正解。」




そしてワタシは私の中に消えた。




体が少し重くなった気がする。




…終わった。




すごく疲れた…。




あぁそうだ、シイのところに行かなくちゃ。




でも…なんか眠たい…



大丈夫かな?



シイ……。