隻眼金魚~きみがくれた祈りのキス~





 雪虫が飛ぶようになって、ああもうそろそろ降るのかなと思う。朝晩、だいぶ寒くなってきた。

 東北の冬は寒い。当たり前だけど。「東北の冬に効くタイヤ」みたいなCM見るけど、あれ「舐めんな東北の冬!」とかにすればもっと売上が伸びると思うんだけど。

 そろそろダウンを出そうか。でも、年が明けて2月頃が一番寒いから、まだ早いかな。厚手のコートで良いかな。
 そんなことを考えながらの本日バイト日。あたしだって一応は真面目に働いている。

 検品をしていたあたしに、店長が話しかけてきた。

「しーちゃんは、それ言わなきゃ分かんねーね、片目が見えないなんて。めんこいのは変わらなくて良かったねぇ」

 いや、見えないっていうか、失明してるわけじゃなくて視力が極度に悪いだけで、厳密に言うと「全く見えない」わけじゃないんだけどな。
 まぁ殆ど見えないわけなんだけど。限りなく失明に近いですけど。

 大体は合ってます店長。

 そんで、視力と可愛さの関係が店長の中でどういうベクトルなのか分からなくてすみません店長。

 目尻にうっすらと切り傷が残っただけで、それも取り立てて目立つわけではなく、本当に言わなきゃ分からない。