隻眼金魚~きみがくれた祈りのキス~

 それから数日して、彼女と別れたって噂で聞いたけど。
 誰とつき合ってたのか知らない。どうでも良い。

 もしかしたら蓮は、「彼女」とあたしの区別を付けたかっただけかもしれないけど。

 教室から見える校庭を、頬杖ついて見ながら、唇を噛んでいたんだ。

 蓮の、あたしの右目へのキス、というよりはお祈りをするように。お祈りのキス。いつからだろう。

 奇跡でも起きるなら、この右目が見えるようになりますように。そう聞こえて来そうだった。
 蓮はそうやってあたしに触るだけ。そんな時あたしは、窒息しそうになる。

 キスのお祈りは、あたしの胸の痛みは癒してはくれなかった。