隻眼金魚~きみがくれた祈りのキス~

 そしてまた「自分は普通の人間じゃないんだ」と、その度に心に刻む。こういうのばっかり覚えてしまうんだ。

 仕方ないんだ。普通じゃないんだから。あたしを分かってくれる人は、だいぶ限られているんだと。その人達をあたしは大事にしないといけないんだと。

 だからと言えば言い訳になるけれど、あたし自身も「蓮離れ」はできないでいる。
 もしかしたら、そのつもりが無いのかもしれない。かも、じゃなくて段々「絶対」になってきていたりもする。

 いや。「蓮離れ」なんて自分に対する言い訳。分かってる。あたしは離れたくはない。蓮のそばに居たい。ずっとそばに居て欲しいし、あたしも近くに居たい。

 角膜移植をすれば、目は見えるようになるらしいけど。あたしはそれはしなくてもいいと思っている。そんなの、なんだか小説とか映画の中の話みたい。自分のことだと思えない。

 蓮が居ればそれでいい。見えるようになった途端、蓮が何処かへ行ってしまったら困るから。

 その為に見えない右目なら、一生そのままでいればいい。