ガヤガヤと騒がしいカフェテリア内。


「退院~退院~♪」


ルンルン気分で歌っているのは、零ちゃん。


彼女がご機嫌なのは、本日、彼氏である西国くんが退院するから。

えっと、約3週間ほどの入院期間。

ようやく終わるんだ。

それに、彼だけじゃなくて、会長や相澤くんも退院するんだよ。


会長たちの退院を待ち望んでいた零ちゃんは、今日はテストがあったというのに、そんなことも感じさせないくらい笑顔。



「予定の時間は、何時だっけ?」


アイスティーの氷をストローでクルクルと回しながら、彼女に聞く。


「2時!」


あたしの向かい側に座っている零ちゃんが、元気よく答えた。


彼女はアイスコーヒーを飲んでいる。

自分の腕時計を見ると、ただ今の時刻は12時。


予定の時間までは、あと2時間あった。

ご飯食べて、病院に向かえば……ちょうどいい時間になるかな?


「何か注文してこようか?」


あたしが考えていたら、先に零ちゃんから提案される。


「あー……でも、陸来てないし……」


あまり乗り気ではない感じで返した。


そう、実は。


あのストーカーから、陸の過去の女性たちの写真が送られてきて、3日目の今日。


このカフェテリア内にいる理由は、陸と待ち合わせをしているためなんです。


会長たちの退院日だから、みんなで病院に行こうって話していたの。