いや、今はそれより……。
「会長……剣道の有段者だよね? どうして……」
この前のクイズ番組で、プロフィールの中に入っていた項目。
武道を修めた会長が、そう簡単にやられたの?
「後ろから頭を金属バットで殴られたみたい……」
零ちゃんが事件の起こった時のことを説明してくれた。
警察の人にでも聞いたのかな……。
繭ちゃんの手を強く握りしめる。
病院内の通路に、カチカチと時計の針が動く音が響く。
その音があたし自身の心臓の音と同調した。
まわりの音が耳に入らなくて、時計の音だけが聞こえる。
1分の時間が、まるで1時間に思える……。
怖い。会長を失うことが怖い。
「あーちゃん、おろち大丈夫だよね?」
繭ちゃんのすがるような問いかけにも、答えられない。
焦点の合わない目で、ボーっと宙を見つめた。
しばらくして。
「杏樹ちゃん……」
会長によく似た顔立ちの男性から声をかけられる。
その人は……会長のお父様、高瀬春さんだった。
高3の夏休みの時に、会長のお家の泊まらせてもらったことがある。
その時に、初めてお会いしたんだ。
かれこれ……1年ぶりの再会。
久々に会ったのが、こんな場所なんて……。
「会長……剣道の有段者だよね? どうして……」
この前のクイズ番組で、プロフィールの中に入っていた項目。
武道を修めた会長が、そう簡単にやられたの?
「後ろから頭を金属バットで殴られたみたい……」
零ちゃんが事件の起こった時のことを説明してくれた。
警察の人にでも聞いたのかな……。
繭ちゃんの手を強く握りしめる。
病院内の通路に、カチカチと時計の針が動く音が響く。
その音があたし自身の心臓の音と同調した。
まわりの音が耳に入らなくて、時計の音だけが聞こえる。
1分の時間が、まるで1時間に思える……。
怖い。会長を失うことが怖い。
「あーちゃん、おろち大丈夫だよね?」
繭ちゃんのすがるような問いかけにも、答えられない。
焦点の合わない目で、ボーっと宙を見つめた。
しばらくして。
「杏樹ちゃん……」
会長によく似た顔立ちの男性から声をかけられる。
その人は……会長のお父様、高瀬春さんだった。
高3の夏休みの時に、会長のお家の泊まらせてもらったことがある。
その時に、初めてお会いしたんだ。
かれこれ……1年ぶりの再会。
久々に会ったのが、こんな場所なんて……。


