すぐにイタズラだと思った。

放って置けば、そのうち鳴り止むだろうと。



しかし。


♪〜〜♪〜〜♪〜〜


「……長いな」



着信は、1分過ぎても鳴り止まない。


……誰かな。


ディスプレイに出てる番号は、まったく知らない。

登録し忘れた人からかなぁ〜?


2分近く鳴り続けてる携帯の通話ボタンに指を置く。


ええぃっ!! 出ちゃえっ!!


プチっとボタンを押した。

おそるおそる耳に携帯をあてる。



「も、もしもし……?」



電話の向こうから聞こえて来るであろう相手の声を待った。

だが。


聞こえて来たのは……。




「杏樹〜〜〜〜〜!!!!」

「へっ? ゆ、柚莉!?」



意外にも、さっき出かけた幼なじみ。


怒っているような、泣いているような……複雑な声だった。