「碧~、大丈夫だったぁ?」


まだ頭の中が真っ白な私に、律が心配そうに駆け寄ってきた。


けれど、顔には半分好奇心の笑みをたたえている。


「大丈夫なワケないでしょ!」


教室の中、思わず私は大声で怒鳴ってしまった。


律ってば途中から知らん顔するんだもん!


おかげで私は、あんなS男からキスされたんだよ!!


そう思うと、突然涙がこぼれだしてきた。