「はぁ…ここまで来てドタキャン…まぁ、しゃあないか…」


人通りの少ないしょぼい公園の中で一人。
愛しのヒナたんは風邪をこじらせたようで…

見舞いさえも
「うつっちまうからダメだ、来たら殺す」
と、断られ…久しぶりの一人の休日。

することもなくベンチに腰掛け…ぼぉっと目の前を見つめてこれからどうしようかと思考を巡らせる。


いっそのこと無視して見舞いに赴いてやろうか…
などという考えも浮かんだその時…



「ぐへっ!!」

白いモノがチラッと見えたと思えば次いで奇妙な声。



何事だと視線で追えば白いモノに埋もれた少年。


興味本位に近づいてみれば白いものはマフラーだと気づく。


(なんや長いなぁ…、身体と全然合ってへんやん。)


「ほれ、お前さん生きとるか?」

近づいて放置はできないためピクリとも動かない少年の長いマフラーをこちらへ引っ張ってみる。