そして、彼女の哀しそうな顔をまた見ることになった。 「と、透くん!」 慌てて僕の口を両手で塞ぐ君は可愛くて可愛くて。 でも、心は晴れない。 チラチラ先生を見ては、哀しそうな顔を一生懸命隠すのだから。 「…そんなに」 先生がスキ? 「え?」 慌てて口を紡ぐ。 「ううん。なんでもないよ。独り言」 僕は、なにがしたいんだろう。 こんなにも好きな人を傷つけて。