水島くん、好きな人はいますか。



「お前の言い分なんかどうでもいいんだよ。みくるがお前を悪くを言ったことに変わりはねえだろ」

「……だから謝れとでも言ったの? どうしてわたしが謝られなくちゃいけないの?」


顔をしかめた瞬を見ながら、どうでもいいと言われた言い分を続ける。


「どういう風に聞いたかは知らないけど、みくるちゃんはわたしのことむかつくなんて言ってないし、わたしが悪く言われることなんて昔からあったことじゃない」


瞬が謝らせようとしたのは、わたしが、傷付いたと思ってるからでしょう?


誰かにひやかされるたび、けなされるたび、傷付くと思ってるんでしょう?


まったく傷付かないわけじゃないけど、全て背負いこんだりしないよ。


いつも胸を痛めてるのはわたしばかり……なんて、本気で思ってるなら否定する。



「俺はお前のそういうところに吐き気がする」


その声は低く、絞り出したようなもので、瞬に怒鳴られることの多いわたしには冷たく届いた。


「なんで謝られなくちゃいけない? そうだよな。お前は、そういうやつだよ。自分で自分を見下してやがる」


形容しがたい笑みを浮かべた瞬は俯き、額に手を当てる。