1年生のときから、瞬は水島くんと同じクラスだった。


たまに見掛ける程度だった水島くんは確かに、独特な雰囲気をまとっていた。


当時はなんとなく、馴染めるのかな?と感じたくらいだったけど、今思えば水島くんにそんなことを感じるほうが不自然だ。


瞬といることが増えて、一緒にいるところを見掛けるようになって、気付けば彼は今の水島くんになっていた。


とにかくよく笑う。友達といることが楽しいんだと見ていて感じた。打ち解けられたんだ。仲良くなれてよかったね、って思ったくらいに、久々に見掛けた水島くんは無邪気に笑っていた。


「転校してきたころの水島くんってよく知らないけど、そんなに変だったの?」

「変、っつーか。やたら愛想よかったのはお前も知ってんだろ」

「うーん……他の子は優しいって言ってたけど、それとはまた違うってこと?」

「だから当時はうさんくささがあったんだよ。やけに言葉選んで話す奴だなと思ってたら、無理して標準語しゃべってたし」

「え、……そうなの?」


瞬との約束があって水島くんの話題は聞き流すようにしていたから、転校当時のことはほとんど分からない。


「1年の夏休み明けたくらいか。うっかり口滑らせたって感じで出てきたんだよ。そっから仲良い奴には徐々に方言混ぜてくるようになった」