女の銃には弾はなかった、そのはずだったのに・・・。

 寒気が闇のように弥生に降りてきた。


 自分の力なく投げ出された右手が見える。

___タツヤ

 さっき、タツヤと重ねた手。あの温もりが恋しかった。


___修学旅行なんてやっぱ、来るものじゃないな・・・。バカらしい。
 


 そう思いながら、弥生はまぶたを閉じた。



 闇は弥生を包み込んで、その命を消した。