しかし女は撃つそぶりもなく、黙って鳥岡を見やった。

「そうね、確かにみんな不思議よね。突然乗り込んできた私みたいなのに、死の恐怖を感じさせられているんだから」

「どうして?」
鳥岡が再び尋ねた。

「八木くん、どうしてだと思う?」
女はまるで鳥岡には興味をなくしたかのように顔の向きを委員長に向けた。

 八木に視線が集まる。

 弥生もつられて八木を見ると、まるで先生にさされたかのようにその場で起立をしていた。

___ばっかみたい


「・・・分かりません」
八木は元々色白な顔を青くして律儀に答えた。


「分からないじゃなくって、ちょっと考えたら?別に間違っても撃ちゃしないわよ」

「はい・・・」