珀…そんな顔させて、ごめん。
付き合ってないにせよ、俺は珀の前から…少しの間去る。
まさに、健次さんと同じ道を進むんだ。
夢に向かうから。
俺を掴む為だから。

「珀…」

俺の瞳を見た珀は、話しを聞いた後、

「いってらっしゃい。私、待つとは言わないよ?私も、進むんだから。私もっ…珱平の夢と重なる為に」

素直に、応援し、俺の夢と重なるって言ってくれた。
進む道は同じ。
ただ、俺のほうが早足なだけだ。

今、微笑む珀の瞳には、何も浮かんでないけど…俺には見えた。
澄んだ透明な雫が。
それは、進もうとしている珀の気持ちの強さを表しているようだった。

珀…夢が重なる日、俺は待つよ。
進みながら…珀を想い、待つから…
少し、さよならだ。

「「また、いつか夢の重なるときに」」

俺達は、ここで…
また再び歩きだした。



END