* 珱平 *

珀の指が動いてから、俺の気持ちに変化が起きた。
伝えるべきか迷っていた気持ちに、少しの決意を持てたこと。
そして…珀が救ったあいつら…秦とはるに応援されてるから。
勇気が湧いてきた。

でも今は、伝えられないな…
伝えるときは、珀が全てを掴んでからって決めてる。
だから俺も、自分の目指すもの…オーケストラを成功させることに力を入れようと思ってる。

珀が頑張ってるんだ。
こうなったのは俺のせいだけど…そんな俺に、『傍にいてくれて有り難う』って言ってくれた珀。

すげぇ大切だ。
大切だからこそ、今は違う目標に向かって進まなきゃなんねぇ。

だから決めた。
俺は珀に…距離を置くことを告げる。
珀…珀なら、大丈夫だよな?