「珀っ!!頑張ってるか?」
私に、少しの勇気をくれる人が現れた。
「よ…へ…」
「大丈夫か?!何か疲れてんぞ?!」
本気で私を心配し、優しい目で見ていてくれる珱平。
「大丈夫だよ。これくらい…私にはどうってことないから」
「大丈夫じゃないってことくらいわかる。でも…」
「そうだよ。でも、乗り越えなきゃ…私にはピアノっていう目標があるから」
私がそう言うと、珱平の瞳が少し揺れた。
また、自分を責めてる。
私にはわかる。
たまに…思うことがある。
私の傍に居ることが、彼にとって…負担になっているんじゃないか、と。
前から考えてたことだけど、認めるのが怖かった。
彼…珱平がいなくなるということが、私の頭の選択肢にはもう、存在していなかったから。