加害者は俺、被害者は私。


「珀ちゃんは、いい子だね。流石………の子」

「??」

最後らへん、あんまり聞こえなかった…

「じゃ、翌桧…じゃなくて、哉登くん。これからも珀ちゃんをよろしくお願いしますね」

秋頼先生は、哉登さんに微笑んだ。
そして先生は哉登さんに近付き、ボソボソと何かを囁く。
すると、

「はっはいぃいっ!!!」

裏返ったような声で、哉登さんが返事をしていた。

どうしたのかな?

「さぁ、珀ちゃん?行こうか…」

秋頼先生が差し出してきた手を、私は…

「す…すいませ…掴めない…」

右半身不随だし、左手も複雑骨折真っ只中。

「あっ…!!ごめんね!つい…」

「いえ。お手数かけてすいません…」

「あっ先生、俺も手伝いますよ」

珱平も、秋頼先生のサポートをしてくれるみたい。
迷惑かけるなぁ…私って。