「何お前ら、いつのまにか仲深めちゃってんの?」

ちょっと膨れる珱平。

「いや…お前には勿体ないくらい、いい子だな」

「な…っ!うるせぇよ…」

珱平…声デカいよ…

「ねぇ、君達?ここ病院だからね?外行こっかぁ」

哉登さんが、二人の背中を押して、私の病室から出ていった。

だから今、はるさんと二人。

「………」

「………」

すごく長い沈黙。だけど、私から話すことはしない。
きっと、彼女が何かを話そうとしていると思うから。

「……はる…あたし、貴女に酷いこと…」

はるさんは、顔を私から逸らしながら呟く。

「何のことです?」

私はわざと、気付いてないフリをして、視線が合ってないのに、彼女に笑顔を向けた。

「何のことっ…て…偽善者って…罵倒したり、殴ったりした…こと…」

「あぁ…アレですか。大丈夫ですよ」

「……ご…めんな…さ…」

「大丈夫じゃないのは、はるさん、貴女ですよね?」

「……っ、」