「気付いてたんでしょ?珱平…」

切なげに笑うはるに、俺は何か反応することも出来なかった。

「……ごめん」

「わかってるよ…はるのことは…友達として…でしょ?」

……その通りだ。
俺はまた、上手く言い訳つくって…この場から逃げ出そうとしてる。

「大丈夫…はる、大丈夫っ、だから」

大丈夫なんかじゃねぇよ、普通。

「はる…ごめん。お前の気持ちには…マジ答えらんねぇ…俺は、珀が好きだから。でも…お前が俺をとられたくなくてしたこと…酷いとは責められねぇ。実際、俺もそんな立場になったら、何するかわかんねぇから…」

「よ…へ…」

「かといって、お前を許せるかというと、んなわけねぇからな」

「う…ん…わか…てる…ヒクッ…」

「泣くなって。許せないけど…珀に会ってみな」

「え?」

「会いに行くぞ」

俺は、はるの腕を引っ張って歩き出した。



END