「珀?」

「えっ…ごめんなさい、ボーッとしちゃってました…」

へへっと照れ笑いする私に、珱平さんは気難しい顔をして、おでこをくっつけてきた。

「熱…じゃないみたいだね。良かった…」

ボーッとしちゃってたから、熱かと思ったみたい。

でも…

「いつまでおでこくっつけてるんです?」

「へへーっなんか、気持ちいい暖かさだなぁってね!!」

珱平さんは、にこにこしながら、おでこを離した。

「あなたたち、仲いいわねぇ〜♪お母さん、珱平くんなら…」

「へ?」

「いいえ、何でもないわ!これからも珀をお願いしますね?」

「あっはい!勿論です♪」

お母さん…けんちゃんのこと、私が引きずってると思って、その先の言葉は言わなかったんだね…

確かに…私は、人を愛することに臆病になってる。

もしかしたら、右半身より、それの方が、私にとって重大な病かもしれない…