「珱平君じゃない!!毎日お見舞い、有り難うね?」

お母さんは、珱平さんに会ったとき、怒鳴り散らすんじゃないかと思った。
でもお母さんも、加害者と被害者は同じくらい苦しむこともあるってことわかってたみたいで、責めることはしなかった。

しかも事故の原因は、私の前方不注意。
勿論、珱平さんにも確認する必要があったらしいけど、その道は死角が多過ぎて、難しかったみたい。
それと珱平さんは、きちんとブレーキを踏んでいたようだし、救急車を呼んでくれと言ったのも珱平さん。
私の倒れた姿を撮る人達を怒鳴ったのも珱平さん。
応急処置してくれたのも…珱平さん。

私は、加害者に助けられたも同然。

右半身が動かなくなることより、命を失うことの方が大きかった。

だから…感謝してるの。
珱平さんには…