少年団から帰ると、まず母さんが謝ってきた。側でなつこは指を加えている。

「お兄ちゃん、ごめんね。なつこがゲームやろうとして、壊しちゃったのよ。」

「えっ?」

急いで電源を付けると、電源はなんとか付いた。しかし、画面はそのまま動かない。何回も付けたり消したりしても、画面が止まってまったく動かなかった。

「ほら、なつこ謝りなさい!」

「……」

なつこは指を加えたまま、だまっていた。

「謝りなさい!」

母さんが怒っても、なつこは指を加えたままだ。
『なんなんだ、なつこは!』
僕はとても腹が立った。そして、怒りにまかせて、

「なにするんだよ!なつこ!」

そう言ってなつこを叩いた。すぐになつこは泣きだす。

「だって!だって!」

なつこは言い訳をしようとする。

「だってじゃないだろ!いい加減にしろよ!」

そう言って僕はまた、なつこを叩いた。なつこは大声で泣く。

「翔太、やめなさい!殴ることないでしょ!」

母さんが僕を怒ってきた。僕はもう、我慢が出来なかった。もう、兄貴だからって、我慢は出来ない。