今日はなつこと虫取りに行った。セミやカブトムシを捕まえてやると、なつこは「うわ~」と声をだして喜んだ。カブトムシを捕まえるのは大変だった。たまたま木についてるのを発見したときは、ラッキーだった。なつこの手に乗せてやると、目をキラキラさせていた。でも、しばらくすると、

「お兄ちゃん!カブトムシとれない!とれない!」

と不安そうな声をあげていた。

「カブトムシは力が強いからな。ちょっと我慢しろよ。」

やっとの思いでとってあげると、

「とれた!とれた!」

そう言って良かったとばかりに手をふぅふぅしていた。

「お兄ちゃん、お兄ちゃん。これはなに?」

見ると、なつこの指には、いつのまにか緑色の虫がつままれていた。

「バカっ!それ、カメムシじゃねーか!くさいから早く捨てろ、捨てろ!」

僕の指示に従って、なつこはピョイっとカメムシを捨てた。

「指のにおい、かいでみ。」

なつこはクンクンとつまんでた指をかぐと、

「くさ~い。」

と言ってキャッキャしだした。そんなにうれしいかなぁ。