結局この日、果歩は本当に家に帰ってこなかった。
あの後俺の手を無理矢理離した果歩は、そのまま勢いよく走り去って音沙汰なし。
俺はなすすべもなく、悶々とした寝苦しい夜を迎えるはめになった。
「ありえねぇ―」
つーか。
「わっけわかんねー。」
次の日。
午前中の仕事を終えるとすぐ、俺はそのままダランと椅子にもたれかかった。
昨日まったく寝れなかったせいか、体中がずっしりと重く、半端なくダルイ。
「今頃果歩は何やってんだかな……」
まだ怒ってるんだろうか?
昨日から一向に繋がらない携帯を見つめながら、はぁ…とうな垂れるばかり。