それはさかのぼること1カ月前の話し。
果歩の高校が夏休みになる少し前の出来事。
仕事から帰るなり、気まずそうに出迎えられたことが全ての始まりだった。
「は?三者面談?」
俺はネクタイを外す手を止め、果歩に視線を向けた。
「う、うん。なんか今後の進路のことで大事な話があるって、担任が……」
そう言って、気まずそうにプリントを差し出され、俺は首を傾けながら受け取った。
見ると、まぁ、ごく普通の三者面談のお知らせ。
でも…
「ん?」
『とても大事な話しがあります』と後ろの方に手書きで書き加えられていた。