駅でジョージに別れを告げて、俺はひとり、郊外へ向かうバスに乗り込んだ。 着いた先は、古びた一軒家。 表札には『桜木』の文字。 ――…もう、逃げるのは許さない。 出てこいよ―… 涼。 真夏の黄昏れどき 暮れゆく日は、空を茜色に染めていく。 ――…すべてをつつみ込むように。