けれど “禁じられれば、余計に欲しくなる” もはや常識のようなその定理が、ここにも存在していて。 鍵盤に触れる時間を制限されれば、制限されるほど それは煌くような輝きを放って、心を侵食していった。 秘密を味わう悦びのようなものが、そこにあった。 そう。だから。 両親は、戦略を誤った。 ――…中途半端に取り上げるなら、最初から与えなければよかったんだ。