陽菜は、俺の知らなかったことを教えて、帰って行った。 裏切りは、裏切りでも。 その裏切りは、土方歳三が求めていた答えに近付くようなものだ。 陽菜に過去を話すことによって、俺も過去を知れた。 土方歳三は、この時のために転生したのかも知れない。 俺は、目の前の少女を見て、そう思う。 「健一さん」 ゆっくり、ドアが開く。 ―…なあ、土方歳三。 俺は、今。 お前の手にできなかった幸せってやつを、手に入れたぜ。