あたしと岸警部が若松範子の住むアパートを訪ねたのは午前11時。
築30年はたとうかというその古アパートには、インターホンすらついてなかった。
ノックするとすぐに「はい」という返事がして、ドアが開いた。
右目の下の泣きボクロ。
若松範子の顔を見た時、まずそれが目に入った。
色白で、長い髪を後ろでまとめている。
紺のシャツに茶色のスカートという地味な服装で、水商売の女性には見えなかった。
「あの、何か?」
訝しがる範子に、あたしと岸警部は警察手帳を見せた。
「泉田浩という男を知ってますね?」
岸警部の問いかけに、範子は「はい」とあっさりうなずいた。
「彼についてお話を伺いたいのですが」
「はい、わかりました」
あたしと岸警部は思わず顔を見合わせた。
この手の聞き込みをした時、こうした返事が返ってくることはまず無い。
築30年はたとうかというその古アパートには、インターホンすらついてなかった。
ノックするとすぐに「はい」という返事がして、ドアが開いた。
右目の下の泣きボクロ。
若松範子の顔を見た時、まずそれが目に入った。
色白で、長い髪を後ろでまとめている。
紺のシャツに茶色のスカートという地味な服装で、水商売の女性には見えなかった。
「あの、何か?」
訝しがる範子に、あたしと岸警部は警察手帳を見せた。
「泉田浩という男を知ってますね?」
岸警部の問いかけに、範子は「はい」とあっさりうなずいた。
「彼についてお話を伺いたいのですが」
「はい、わかりました」
あたしと岸警部は思わず顔を見合わせた。
この手の聞き込みをした時、こうした返事が返ってくることはまず無い。