「まぁ、いいや。
春菜にしては上出来だしな」

大きな手が
私の頭をポンポンとすると
そのまま後頭部をグイッと
引き寄せられ
唇と唇が重なり合った。

「ん・・・んー・・・」

息継ぎができない私は
両手で 輝樹の肩を叩くけど
そんなのお構い無しで
輝樹の舌が口の中に入り込み
余計 息ができない。


「お前 もうちょっと
色気だせよな~
キスの最中で バンバン叩かれるなんて
俺 初めてだぞ?」

「・・・だもん」

「何て?」

「息ができなかったんだもん!」

「ぷっ・・・あーははははは
あ~、そっかそっか
あはは、ふ・・・はははは
わりぃわりぃ、
そうだな、苦しかったな。ははは」




・・そんな笑わなくても・・・



悔しい・・・・

でも、笑われても仕方がない・・・

私は まだまだガキだから・・・

経験もなければ
テクニックすらもない。


息の仕方なんて・・・

分かるはずもない。