「三浦」 ふいに、声がした。 恐る恐る振り返ると、少し離れたところにある外灯の下で人影が見えた。 顔がよく見えない。 目を凝らしてもう一度見る。 「誰だ?」 斗真はゆっくりと近付いた。 人影が揺れる。 「俺だよ、三浦」 目を疑った。 夢を見ているのかと思った。 なぜなら見慣れた顔がそこにあったからだ。 八重歯を覗かせて、目を細めている。 どうして、 どうして、お前がここにいるんだ。 「前田…」