共に行く者

教授達や生徒達から睨まれるのはいつものこと、嫌がらせを受けたのも数多くある。

大学でできた友達もほとんど去った。

大学を辞めろまで言われたが、必死に耐えてきた。

「特にあの2人はノイローゼにまで追い込まれたんだ! 本当だったら慰謝料請求されてもおかしくないんだぞ?」

「何よ! お金だったら払うわよ!」

「ああ、それが手切れ金となれば、最高だな!」

嫌味ったらしく言うと、利実の表情が強張った。

オレは冷静さを取り戻す為に、深呼吸した。

「…なぁ、もうオレ達に頼らなくったって、お前1人で大丈夫だろう? 仕事も勉強もできるし、友達や彼氏だって作れる。守る存在が必要な歳じゃないだろう?」

「でもっ! …アタシを見捨てなかったのは、あなた達だけなのよ」

利実の目から、大粒の涙が溢れる。

「それも今回の旅行までだ。終わればオレ達はお前との関係を全て断ち切る」

「っ!?」

「甘やかし過ぎたことは、オレ達のせいだと素直に詫びる。だが調子に乗り過ぎたのは、お前自身の身から出た錆びだ」

オレはきっぱり言い放った。

ここで言いよどめば、利実の思う壺だったから。