かけがえのないキミへ



いつも食材は綾音が学校帰りなどに買ってきてくれる。
綾音に任せっきりの俺が情けない。
俺は目を閉じて、冷蔵庫の風に当たっていた。


『涼し…』


他人から見た俺は、バカだと思うだろう。
でも起きたあとは、それくらい暑いということだ。

風に当たっていると、冷蔵庫からピーピーという音が鳴った。

冷蔵庫にも嫌われたのか、俺は。

冷蔵庫を思い切り閉めて、カバンの中から財布を取り出した。


買いに行くか。
たまには綾音に楽させてあげないと。


俺は制服のまま、マンションから出て行った。

そして近くにあるコンビニへと向かう。
近くといっても、ここから歩いて20分かかる。

下を向きながら、俺は道を進む。


ふとこの時思った。
俺が進む道も、こんなに緩やかな道なのかな?


全然違った。
緩やかではなかった。
険しい、試練が沢山ある道だった…