ぎゅ


「へ?」


気付けば 麻美の手を握っていた


少しでも・・・怖いのが


なくなればと思った


「大丈夫だよ・・・」


「・・・」


自分でも バカみたいな事を


してるってわかってる


でも・・・手だけじゃなくて


身体が震えていた


麻美の肩を 自分の方に


引き寄せて そのまま抱き締めた


「さ・・・朔哉君・・・?」


ドキン ドキン・・・


名前を呼ばれるだけでも


心臓が高鳴る


それぐらい 麻美の事が好きなんだ


「・・・大丈夫だから」


何度も大丈夫と言った


しばらくすると 雨が止んで


雷も止んだ


麻美は すぐに俺から離れる


「あ・・・私 そろそろ帰るね!?」


「送る」


「ううん! 大丈夫・・・


近いし じゃあね!?」


そう言って 麻美は走って神社を出た