それなのに どうして・・・?


「俺は そんな風に思ってないよ」


「・・・でも」


ぎゅ


朔哉君は 私を抱き締めた


「何も言わなくていいから・・・」


「・・・苦しいよ」


「悪い」


そう言って 私の肩を押した


そして 私から離れて


フェンスに寄りかかった


「俺さ・・・昨日親父とちょっと


ケンカしたんだ」


「え?」


「バイト辞めろって・・・


ガキの頃から ずっと親父の言いなりだった


バイトさ・・・高校に入って


親父説得して なんとか許してくれたんだ」


「・・・そうなんだ」


なんか・・・朔哉君大変だな


「なんか暗い話になったな・・・


ごめんな?」


そう言った朔哉君は 


少し悲しそうだった


私に・・・何が出来るのかな?


朔哉君に 何が出来るんだろう?


「麻美・・・あまり自分を責めるなよ?」


ドキン


そう言って 朔哉君は私を見た