君を想う

お兄ちゃんは 心配そうな顔で


そう言った


「・・・ごめんなさい」


俯きながらそう謝った


気付けば女子達は 居なくなっていた


「・・・立てるか?」


「うん」


お兄ちゃんに支えられながら


立ち上がった


鞄を持って 教室を出た


そういえば・・・朔哉君も


居なかったな


どうして居たんだろう?


忘れ物・・・取りに来たとか?


玄関に着いて 靴に履き替えて


校門に向かって歩いた


「お兄ちゃん・・・ごめんなさい」


「謝るなよ・・・それより


痛かったか?」


そう言って 叩かれた頬に手を触れた


「・・・大丈夫」


「俺のせい・・・だよな?」


「え?」


お兄ちゃんは 不安そうな顔をして


私を見ていた


「・・・ごめんな?」


「お兄ちゃんのせいじゃないよ・・・」


泣きながら お兄ちゃんにそう言った