しばらくして 家に着いた


「そうだ 麻美」


「ん?」


玄関のドアを開けると


お兄ちゃんに呼び止められた


「俺の名前・・・呼んで?」


ドキン


名前・・・


「えっと・・・」


「1回でいいから」


お兄ちゃんは 真剣な顔をして


そう言った


まぁ・・・1回だけならいいかな?


「・・・健?」


なぜか疑問系に言ってしまった


「うん でもなんか変な感じだな」


それは・・・私の方だよ


いつも『お兄ちゃん』って呼んでるから


靴を脱いで 2階に上がった


部屋に着くと ベッドに横になる


ドキン ドキン・・・


心臓が・・・高鳴っていた


胸に手を当てる


「・・・緊張した」


正直 お兄ちゃんの名前を呼ぶのは


緊張した


私は・・・これでよかったのかな?


目を瞑って 気付けば寝ていた