君を想う

鞄からスマホを出して 電源をつけた


【着信:15件】


そう表示されていた


ほとんどお兄ちゃんからだ・・・


もちろんLINEも・・・


【今 どこに居るんだ?】


【連絡くれ】


そんなLINEばかり・・・


私は お兄ちゃんのスマホにかけた


何度も呼び出し音が鳴る


『もしもし!? 麻美か!?』


少し慌てるようにそう言った


「・・・うん」


『お前・・・今どこに居るんだよ!?』


怒っている声だった


「ごめんなさい・・・心配かけて


今日は 友達の家に泊まるから」


『友達って・・・』


私は 電源のボタンを押した


明日 帰ったら・・・


何か言われるかな?


・・・次の日


咲帆ちゃんの家を出て 


そのまま学校に向かった


「あれって・・・麻美のお兄さんだよね?」


「え?」


校門の前には お兄ちゃんが


寄りかかっていた