君を想う

「お前 こんな時間に何やってんだよ?


しかも制服で・・・」


朔哉君は そう言いながら


私の所にやって来た


「・・・別に」


「別にじゃねーだろ? 


ほら送って行くから帰るぞ?」


「嫌! 帰りたくない・・・」


わがままみたいな事を言ってしまった


でも・・・帰りたくなかった


「何があったか知らないけど


親とか兄貴が心配してんだろ?」


「・・・」


何度もスマホが鳴る


きっとお兄ちゃんだ・・・


でも 私は出れなかった


「はぁ・・・仕方ねーな」


そう言って 朔哉君はポケットから


スマホを出した


誰かにかけている


「あ・・・香坂? 俺だけど・・・


今から駅前の公園に来て?」


香坂って・・・咲帆ちゃん?


どうして?


スマホをポケットにしまう


「あの・・・」


「香坂の家 ここから近いんだよ


お前 今日香坂の家に泊まれよ?」