君を想う

そう言って 走り去った


ウソだ・・・そんなの


絶対にウソだ


どうして私の事 からかうの?


もう・・・わかんないよ


本当なの?


本当に 私とお兄ちゃんは


兄妹じゃないの?


血が・・・繋がってないの?


ガシ


「麻美!」


手首を掴まれて 振り返ると


お兄ちゃんが息を切らしていた


「・・・放して! 今は何も


聞きたくない!」


そう言って お兄ちゃんの手を


振り放った


すると 今度は私の両肩を


掴んできた


「ごめん・・・こんな事になって


でも 俺の気持ちはウソじゃないんだ


本気で麻美の事が・・・好きなんだよ」


「・・・」


真剣な顔をしているのが わかった


でも・・・俯いている私は


顔を上げる事が出来ない・・・


「・・・帰ろう? 母さん達


心配してるから」


そう言って お兄ちゃんは先を歩いた