なんでこんなに胸が痛むんだろう?


普通なら・・・喜ぶのに


友達とお兄ちゃんの恋だから


応援しなきゃ・・・


そう 思うのにな


「ダメかな?」


「あ・・・えっと」


咲帆ちゃんは 心配そうな顔で


私にそう言ってくる


キーンコーン・・・


予鈴が鳴った


「じゃあ麻美! お願いね?」


「え・・・あ・・・!」


そう言って 咲帆ちゃんは


自分の席に戻った


どうしよう・・・


でも 咲帆ちゃんキレイだし


お兄ちゃんカッコイイもん・・・


「・・・み? 麻美?」


「え?」


声のする方を見ると 朔哉君が居た


「どうかしたのか?」


「あ・・・なんでもない」


少しだけ 悩んでいた


心の中が ぐちゃぐちゃだった


「・・・そういえば さっき


麻美の兄貴が来てたよな?」


「あ・・・ノート届けに来てくれたの


それで 咲帆ちゃんがお兄ちゃんに


一目惚れしたみたいで・・・」


慌てて 手で口を覆った