「へっ?お、おれっ?」
間抜けな顔して、
でもどこか驚いたような顔で自分のことを指差している蒼井と視線が交わる。
無意識のうちに、蒼井を見てた。
蒼井だけを見てた。
蒼井の声しか、聞こえなかった。
キョトンとした蒼井を見ているうちに、クリアになっていく―…
あぁそっか。
蒼井には、どーでもいーんだ。
あたしのことなんて、なんとも想ってないんだ。
あぁそっか
そうなんだ。
―…気付きたくなかったこと。
鍵を掛けて、しまっておきたいこと。
濃い霧で、雲で、カーテンで…
もう、なんでもいーから
隠しておきたいこと。
だったのに…
「…ごめん」



