「あはは…」 曖昧に、誤魔化しながら。 細く、長いその指で、学ランから丁寧に安全ピンを抜いていく姿を、忘れないように目に焼き付ける。 心の一眼レフカメラは、1つも溢さないように、フィルムに残して。 蒼井の手から、あたしの元へと降りてくる名札を。 ゆっくりと、優しく、 丁寧に指を折って、包み込む。 胸の前で、ギュッと。 伝えられなかった想いを、噛み締めて。 「ありがとう…」 ─…好き 好きだよ、蒼井。