だからこそ、このままキレイな想い出で終わらせたい。
そう思ってしまうあたしがいることも確かだけど、今は。
強いエネルギーがあたしに決心を植え付け、前を向かせてくれていた。
─…後でウジウジ悩んでも知らないから。
それは一見、突き放しているかのようにもとれるけど、
ただ背中を押されただけじゃ、一歩踏み出せないあたしの迷いに、気付いているから。
あえて、逃げ道を消してくれたの。
きっと。
「ん、行ってくる」
大量の酸素を吸って、唾を呑み込み、見つめる先。
「よっしゃあ!行ってこい玲依!」
「…がんばって!」
力強く叩いてくれた、知夏の手のひらと
胸の前で作られた、月の拳。
2つを受けて、ようやく駆け出すことができたんだ。
─…蒼井の元へと。



