鼻を啜る音ばかりが響いていた、またとない、ハーモニー。
きっとしばらくは、その残像が脳裏に焼き付いて、離れない。
「ほら玲依!うちらとも写真撮るよ!」
次から次へ。
月や知夏とはもちろん、凛をはじめ、あの友達とも、この友達とも。
校長先生や担任、お世話になった、先生方。
できるだけ、関わった、全ての人と。
「…っ、亜也!」
…そう、亜也とも。
一通りの人とシャッターを切り終えた後、もう、随分目を反らしていた背中に呼び掛ける。
かつてあたしがしたことを思えば、迷惑かもしれない。冷たくあしらわれるかもしれない。
だから拳を、握りしめずには言えなかった名前。
─…亜也。



